EurekaMoments

ロボットや自動車の自律移動に関する知識や技術、プログラミング、ソフトウェア開発について勉強したことをメモするブログ

Waymoの自動運転システム開発についての講義メモ

目次

はじめに

アメリカで自動運転車の開発を進めてる
企業の一つであるWaymoのエンジニアリング
ディレクタ、Sacha ArnoudさんがMITにて
講義を行ったときの動画をYouTubeで見ました。
www.youtube.com 勉強になることがいろいろ聴けたので、そのメモを
今回の記事としてまとめておこうと思います。

Waymoについて

Waymoについてはこちらを参照下さい。
waymo.com

講義メモ

メイントピック

  • WaymoとGoogleによる自動運転の一般的な背景
  • 道路環境認識のための機械学習と深層学習の歴史的な用途
  • 自動運転に用いられる深層学習の技術概要
  • 機械学習に強く依存した産業製品の開発に繋がるもの

アメリカにおける衝突事故のデータ

  • 42%がヒューマンエラー
  • 40歳以上のアメリカ人の内300万人が盲目あるいは視覚障害者
  • 人間一人当たり、年間で42時間を道路交通で浪費している

アリゾナ州での自動運転試験

  • 搭乗者は後部座席に座り、どこに向かうかボタンでリクエスト
  • その後、自動運転車は自動で目的地に向かい走り出す
  • 周辺環境の画像から、道路標識や信号などを抽出して判別
  • 道の名前や番号、店の看板や広告なども判別できる
  • 夜間の走行でも、信号や他車のライトの点灯を認識可能
  • 自転車や歩行者の動きをリアルタイムでトラッキング可能

自動運転車の開発に必要な要素

  • 地図構築、位置計測、知覚、環境予測
  • 行動予測、動作計画、センサデータ処理
  • 車とのインターフェース、シミュレーション

センシングシステム構成

  • 車両前方左右にはレーダとレーザ、後方左右にはレーダ
  • 屋根の上には全方位監視可能なカメラ、レーダ、レーザ
  • これらが知覚の役割を果たし、周辺環境を表現する

Point Cloudのクラスタリングと行動予測

  • レーザのPoint Cloudをクラスタリング
  • 自転車、歩行者、他車両などに分類する
  • 前方車両のドアの開閉を認識できる
  • 車両から人が降りて来るかもしれないと予測
  • それを自転車は避けて進むかもしれないと予測 f:id:sy4310:20210619132923p:plain

誤認識問題

  • 窓ガラスなどへの反射
  • 自分の隣を走る車の窓に移った別の車
  • 2台の車がそこに走っていると誤認識する f:id:sy4310:20210619134327p:plain

  • 歩行者は様々な姿勢になり、遮蔽されたりする

  • 検出して行動を予測することはとても難しい
  • 人やマネキンがトラックの荷台に乗って移動するパターン
  • それを人だと判断するようなことがあってはいけない f:id:sy4310:20210619134843p:plain

カメラとレーザのセンサフュージョン

  • レーザの点群データを2次元平面に投影する
  • ドライバー視点で取得した画像と組み合わせる f:id:sy4310:20210619144406p:plain

  • 雪のように事前に形状情報を定義できない物体を認識したい

  • Smaller Convolutional Networks
  • 画像に映る物体を画素単位で分割してクラスタリングする
  • Semantic Segmentation f:id:sy4310:20210619144817p:plain

  • 時系列の連続データを用いたベクトル表現

  • RNN(Recurrent Neural Network)との組み合わせ f:id:sy4310:20210619150654p:plain
    www.procrasist.com

  • 走路脇のコーンの検出

  • 通学バス、パトカー、消防車、救急車の分類
  • オブジェクトのベクトル表現をディープネットで学習
  • GoogleのDNPが開発したwork to Veck
  • センサの観測範囲内に対象の情報がある場合に有効 f:id:sy4310:20210619145729p:plain
    f:id:sy4310:20210619145821p:plain

  • 2次元に投影したレーザの点群から形状予測

  • それを囲うバウンディングボックスを生成 f:id:sy4310:20210619150418p:plain

システムの検証

  • 以下の3つを軸にしたシステム検証
  • Real World Driving, Simulation, Structured Testing f:id:sy4310:20210619150854p:plain

  • 機械学習システムのロバスト性の実機検証 f:id:sy4310:20210619150959p:plain

  • 車の進路に別の車を割り込ませての急停車

  • なかなかリスクの高い試験方法 f:id:sy4310:20210619151122p:plain

  • 進路妨害かつ反対車線にも車がいるシチュエーション

  • 対向車がいるので車線変更はしない
  • 前方の障害物が無くなるのを待つ f:id:sy4310:20210619151343p:plain

今後の課題

  • 雪道などでの自動運転
  • より複雑な環境の認識や分類 f:id:sy4310:20210619151624p:plain
    f:id:sy4310:20210619151702p:plain

まとめ

機械学習、深層学習をどう活かしているのかが
中心でしたが、後半のシミュレーション環境に
について詳しく聞いてみたかったですね。
実機試験の内容は結構リスキーな印象だけど、
事前のシミュレーションをしっかりやってる
から、そういったリスキーな試験にも臨める
んだろうなと思いました。